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漢字とひらがなの割合、読みやすさではここを見る

漢字54%の短い案内文を材料に、表記だけを直す場合と文を分ける場合を比較。変えないほうがよい言葉も示します。

今回の案内文は、Mojisu Counterで 漢字54% と出ました。「漢字30%が理想」という物差だけで判定すれば、大幅に書き直す数字です。でも、この文には「日時」「整理券」など、漢字のままのほうが短く正確な言葉が含まれています。

そこで、比率を目標にせず、同じ文を「言い換える」「2文に分ける」の2通りで修正します。日本語の文字数カウントの文字種別分布は、合格点を出す機能ではなく、修正候補を探すための手がかりとして使います。

61文字の案内文は漢字29文字

試しに、こんな短い案内文を入力しました。

春の展示案内を作成します。

来場者が迷わないように、日時・場所・参加方法を短く説明します。

受付では整理券を配布します。

Mojisu Counterに貼り付けると、上部の主要統計に「文字数(すべて)」「文字数(空白なし)」「文字数(改行・空白なし)」「漢字数」「行数」「原稿用紙換算」が並びます。

Mojisu Counterの主要統計で漢字数29を珊瑚色の枠で示した画面

漢字数 は29です。全文61文字なので、ぱっと見ても漢字の存在感はそこそこあります。

ただ、「29文字だから多すぎる」とは言えません。案内文には「展示」「来場者」「日時」「参加方法」「整理券」のように、短く正確に伝えるための語が入ります。数字を見たあとに、読者がつまずきそうな語だけを探します。

文字種別分布でバランスを見る

もう少し詳しく見るには、入力欄の下にある「詳細を見る」から 文字種別分布 を確認します。

文字種別分布でひらがな23、漢字29、カタカナ2の割合を珊瑚色の枠で示した画面

ひらがな23、漢字29、カタカナ2。割合では、ひらがな43%、漢字54%、カタカナ4%です。

この文章はやや漢字寄りです。とはいえ、日時や手続きの情報を短く伝える文なので、漢字が多めでも不自然ではありません。

直すなら、全部ではなく一部だけで十分です。「配布します」はこのままでも自然ですが、「参加方法を短く説明します」が硬いと感じるなら、「参加のしかたを短くまとめます」にするだけで少しやわらぎます。

文章の種類漢字が多めでもよい場面開いたほうがよい場面
募集要項条件、期限、正式名称読者向けの説明文
学校・地域のお知らせ日時、場所、持ち物小学生や保護者向けの案内
Web記事検索される専門語冒頭の導入、操作説明
UI説明画面上の項目名補足文、注意書き

漢字が多いときの直し方

漢字が多い文章は、情報量を短く詰め込めます。その反面、一般向けのお知らせ、SNS投稿、フォームの説明文では少し事務的に見えることがあります。

直すときは、難しい語をまとめてひらがなにするより、読者がつまずきそうな語だけ拾います。

まず言い換え候補を探す

こうした語は、読者や場面によって開いたほうが読みやすくなります。

硬めの表現やわらかい表現注意点
参加方法参加のしかた公的な募集要項では「参加方法」のままでもよい
配布配ります事務文書では「配布」が自然な場合もある
記入書く申請書では「記入」のほうが正確
確認確かめるボタン名が「確認」なら変えない

本文を読んで、「この読者はふだんこの言葉を使うかな」と考えるくらいで十分です。全部をひらがなに開くと、今度は幼く見えたり、意味のまとまりが取りにくくなったりします。

一文を短くする

漢字が多い文章は、同時に一文が長くなっていることがあります。その場合、表記を変えるより文を分けるほうが効きます。

元の文:

来場者が迷わないように、日時・場所・参加方法を短く説明します。

分けた例:

来場者が迷わないように、日時と場所を先に書きます。

参加のしかたは、最後に短くまとめます。

この修正では、漢字の割合そのものより、情報の順番が見やすくなっています。文章量も一緒に見たいときは、文字数と空白をまとめて確認しながら直すと、増えすぎたかどうかもすぐ分かります。

ひらがなが多いときの直し方

ひらがなが多い文章は、やさしく見えます。ただし、区切りが見えにくくなったり、同じ音が続いて読みにくくなったりします。

たとえばこの文は、やわらかい一方で少しぼんやりします。

きてくれるひとがまよわないように、くわしいことをわかりやすくかきます。

直すなら、意味のまとまりだけ漢字に戻します。

来場者が迷わないように、日時と場所を分かりやすく書きます。

このほうが「来場者」「日時」「場所」という情報の柱が目に入りやすくなります。ひらがなを増やすこと自体が目的ではなく、読む人が必要な情報を拾えるかどうかが基準です。

ひらがなが多くて読みづらい文章は、漢字に戻すより先に、句読点や文の分け方を見ても改善します。意味の切れ目が見えれば、やさしい表記のまま読めることもあります。

カタカナは少なくても目立つ

カタカナは数が少なくても目に残ります。ツール名、外来語、サービス名、商品名が多い文章では、カタカナの比率が高く出ます。

カタカナが続くときは、こんな点を見ます。

  • 日本語で言い換えたほうが伝わる語はないか
  • サービス名や固有名詞を無理に訳していないか
  • 同じ外来語を別表記で混ぜていないか
  • 略語を初出で説明しているか

たとえば「フォーム」「プレビュー」「アップロード」はWeb操作では自然です。一方で、一般向けの案内に「アサイン」「リスケ」「エビデンス」が並ぶと、読む人によっては意味が取りにくくなります。

30%を目指すとかえって読みにくくなる

「漢字は何%が理想ですか?」と聞かれることがありますが、固定の正解はありません。小学生向けのお知らせ、大学のレポート、業務マニュアル、法律に近い説明では、自然な比率が違います。

目標値を決めるより、次の順番で見ます。

順番見ること判断
1漢字数と文字種別分布違和感の原因が漢字寄りか確認する
2一文の長さ表記より文の長さが原因ではないか見る
3固有名詞、専門用語、ボタン名変えない言葉を先に守る
4言い換え候補読者がつまずく語だけ直す
5音読数字で見えない読みにくさを確認する

数字は、文章の違和感を見つけるきっかけです。修正後も数字が大きく変わらないことはあります。それでも、語順や文の区切りが整えば読みやすさは改善します。

例外:変えないほうがいい言葉

表記をやわらかくしようとして、変えないほうがよい語まで直すと意味がずれます。

特に気をつけたい4つがあります。

  • 固有名詞:サービス名、団体名、商品名
  • 専門用語:制度名、技術用語、正式な手続き名
  • 画面上の名称:ボタン名、メニュー名、項目名
  • 検索される語:読者がその言葉で探している用語

このサイトの画面では「文字種別分布」「漢字数」と表示されています。記事内でもその名称は変えません。読みやすさのために言い換えても、操作中の読者がボタンを見つけられなくなれば失敗だからです。今回の54%は「修正必須」ではなく、案内文の硬さを読み直すきっかけとして残します。